本『アンの友だち』『アンをめぐる人々』 〜「生活の秩序」と「人の良き変化」〜

初登校の日、アンが自身の赤い髪を「にんじん」とからかったギルバートの頭に石版をたたきつけ、その後何年も口をきかなかった、というエピソードにちなんで作った「キャロットラペ風」のニンジンサラダ

カナダ・プリンスエドワード島のアボンリー村に住む

マシューとマリラの兄妹に孤児院から引き取られた

11歳のアン・シャーリーの物語

『赤毛のアン』はシリーズ作品。

アンが学業を終え教師として働き、

幼なじみのギルバートと結婚して

子育てと生活に奮闘する姿と、

子どもたちの姿までが数冊にわたり描かれます。

 

シリーズの中には、アボンリー村に住む

人々の物語をまとめた短編集

『アンの友だち』『アンをめぐる人々』もあります。

私が『赤毛のアン』シリーズを初めて読んだのは

今から40年以上前ですが、この2冊の短編集も

大好きで、何度も繰り返し読みました。

 

中でも好きな短編は、

それぞれ変わり者で人間嫌いと評判の

中年の独身男女が、ある理由で一定期間、

男の家に同居する「隔離された家」と、

ささいな原因で婚約破棄し、20年ぶりに再会した

男女の物語「争いの果て」。

今回読み返してみて、両方の話に共通点があることに

気付きました。

 

「隔離された家」も「争いの果て」も、

コミュニケーションがうまくとれなかった男女が、

「住空間や食環境を整える」ことを通して

お互いの存在の大切さを再認識し、

より良い方向に変化して

新しく人生をスタートさせます。

 

この「生活の秩序を正す」部分と、

「人間が変化してリスタートする」に

ぐぐっと心が惹かれるのですね。

 

以前、カウンセリングを受けた時に

指摘されたのですが、私には

「完璧主義」の傾向があります。

家事も仕事も育児も全部、

「いつも私の思い描く理想通りであるべき」

という執着です。

「自分はダメな人間だ」という思いが底辺にあり、

物語の中で“ちゃんとした”人を見ると憧れる。

 

しかし、いつも自分の思い通りの「完璧さ」で

いることは、私にはできません。

そういう自分を認めて受け入れ、

どうすれば自分が納得できるのか見極めて、

小さなところから実行していく必要があると

このような物語を読み終わって

気付かされるし、「やる気」も出てきます。

 

また「人間の変化とリスタート」については、

「人はより良く変化する力を持っている」という

私の人間観、人への信頼を裏付けされることから、

そういう物語に惹かれるのでしょう。

 

この2冊の短編集は、

人間のさまざまな愛の形と、

生きることへの肯定に満ちています。

どうぞ機会があったら

読んでみてください。

 

カウンセリングに関係なく、

「好きな本や映画について話し合う

“物語クラブ”」みたいなサークルづくりも

考えています。ご興味ある方は

ご連絡いただければ幸いです。